※ 隣恋Ⅲ~のたり~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ のたり 43 ~
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「こんな解り易い所に付けられて……愛羽さんヤラシイなぁ」
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独り言なのか。
それとも、もうスイッチが入ってしまったのか。
敬語ではなくなった彼女の言葉遣いにドキリとしながら、はっ…はっ…と弾む息をなんとかして整えようとしてみる。
だけど、雀ちゃんが目立つ位置に付けたキスマークをいたく気に入った様子で、それを唇で啄んだり、舌で撫でたりするものだから、まったくと言っていいほど、呼吸が落ち着かない。
しかもそれだけではない。
強い愛撫ではないものの、首をそうして弄られるとやはり感じてしまう体質なもので、じわりじわりと背中から腰にかけて、痺れるような快感が広がってくる。
そして両腕を押さえつけられてろくに身動きの取れない今のわたしに、その快感を逃がす術がないのだ。
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「雀、ちゃん……おねがい」
わたしの首を舐めていた彼女が、んん? と低い声で先の言葉を促す。
「手、離すのがだめなら、握って……」
手首ではなくて、手を重ねて欲しい。
所謂、恋人繋ぎというやつで、手の平同士を合わせて指を握り込むアレだ。
ただ、えっちの際にこれをすると、わたしが雀ちゃんの手の甲に爪を立ててしまう心配があるので、あまり積極的にはしないのだけど……、雀ちゃんはどうも、わたしが逃げないかが心配なようで、手を離す事は許さなくても、「手を繋いで」なら許してくれるのではないかと考えたのだ。
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「片手だけなら」
首元でそう告げる声は随分と低くて、まるで唸るみたいだった。一瞬、怒っているのかと疑問が浮かぶが、これは違う。きっと、これは怒っているのではなくて、暴走しそうな自分を押しとどめるのに必死なだけだ。
現に、彼女の唇から零れる息の温度はあがっているし、わたしの右手首を掴んでいた手はその力を緩めると、するするとそのまま末端へ移動したかと思えば、わたしの指の間にそれぞれの指が入り込んで、ぎゅっと強く握り込んだ。
「愛羽さん……あんまり、可愛い事言ってると、保証しませんからね…?」
「ほ、しょう?」
「貴女の身の安全の」
ど、どこまで興奮して、どこまで危険になってしまうのよ!
驚いたわたしは、待つように言おうとしたが、言葉を奪うようなタイミングで、先程とは少しズレた位置の肌を強く吸われて、喉奥で悲鳴をあげた。
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予想していた通り、わたしの手は、ぎゅうっと彼女の手を縋るみたいにして握る。
握るというよりは、握り潰すと言った方がよいかもしれない。けれど実際は快感によって握力が減少しているおかげで、恋人の手を潰さずに済む。
「あぁっ、は、ぁんっ」
チク! と針を刺すような痛みを首筋が訴えるけれど、雀ちゃんはまだ、肌から唇を外そうとはしない。
どれだけ濃くキスマークを残そうとしているのか。
「ンんンっ、すず、……ちゃ……はぁっ……!」
堪らなくなったわたしが名前を呼ぶけれど、その発音も怪しくなる程の快感が襲う。
あろうことか雀ちゃんは、キスマークを付ける為に吸い上げていた肌を、そのまま噛んだのだ。
ビリリと痛みは焦げ付くようにわたしへと伝わって、強い刺激に身体をこわばらせた。
さすがにやり過ぎたとでも反省したのだろうか。雀ちゃんはすぐに歯を離して、二つ目のキスマークを付けた肌を舐めた。
温かいその舌が痛みの残るその肌を舐める感覚はなんとも言えず、ぞわぞわと肌が粟立つ。
耐えられない程ではないが、思わず声は漏れてしまう。そんな具合の快感を与えられて、わたしはついに、握り締めていた彼女の手に爪を立てた。
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