※ 隣恋Ⅲ~のたり~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ のたり 33 ~
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「………………。い、色仕掛け」
「……ごめんなさい」
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あー……。と雀ちゃんが思い出すような声を漏らした。
「ど、通りであの時やたらとエロかったわけですね……」
納得しました、と雀ちゃん。
エロいと思ってもらえていた事は嬉しいけれど、やっぱり、今となっては申し訳なさが立つ。
ごめんね、ともう一度、彼女の首筋に顔を埋めたまま謝ると、雀ちゃんは小さく首を横に振った。
「愛羽さん。実は私もビールを飲んでまして、ちょっとばかり、酔ってるんです」
「え? あ、う、うん」
ケロっとした顔をしていたし、行動言動おかしいところもなかった。だから、酔ってはないと思っていたんだけど……本人曰く、酔っていたらしい。
話を促すように相槌を打つと、雀ちゃんはわたしの耳元で内緒話をするみたいに声を小さくした。
「酔ってるから言えるんですけど……ちゃんとしてって言われた後のキスで……愛羽さんがその気になってくれたらいいなーと思いながら、やらしいキスしてました」
「な……」
言葉が出ない。
だって、まさかだ。
あの時の雀ちゃんのおずおずといったキスは、てっきり、躊躇いからのそういうキスだったと思ったのだけど、裏ではそういう事を考えていたらしい。
しかも今、そういう事を話してくれる意味はもちろん。
「だからお相子ですね。愛羽さん」
両腕の力でふわっと体を持ち上げた雀ちゃんが、わたしの上で笑う。
やっぱり目は閉じたままで、へへ、と歯を見せて笑うその優しさに、やっぱりわたしの恋人は最高のひとだと、胸がときめいてしまう。
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「目、あけて?」
切ないくらいに好きな気持ちが溢れて、彼女へと手を伸ばす。
ゆっくりと瞼を開いて、わたしをその瞳に映してくれた彼女の頬に手を添えて、撫でた。
「酔ってるけど、えっちしたい」
「随分正直ですね」
おどけたように、軽く目を見張ってみせる雀ちゃんの首に、両手を回して、項のところで指を組む。
「酔ってるから、正直なのよ」
いつもの愛羽さんはひねくれものだから。と他人事のように言ってみせると雀ちゃんは、「そんなことないですよ」と笑ってくれる。
正直者っていうのは、貴女みたいなひとのことを言うのよ、と言いたいけれど、彼女が瞳を甘く溶かしたものだから、口を噤んだ。
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「ねぇ、愛羽さん」
ゆっくりと顔を寄せてきた雀ちゃんが、わたしの鼻のてっぺんにキスをした。
「私は酔ってるんですけど、それでもいいんですか?」
「何か問題でもあるの?」
顎をあげて、雀ちゃんの唇をちうと吸ってから、問い返す。
「だって酔ってたら……」
言葉を区切った雀ちゃんが、わたしの唇を塞いでから、片腕をヘッドボードの方へと伸ばした。
コン、コツンと硬い物同士がぶつかる音が聞こえてすぐに、雀ちゃんの唇が離れた。
「こういうモノを使いたくなっちゃうんですけど」
ひょい、と視界に入れられた、ピンク色の物体。
細長いボールのようなものからコードが伸びて繋がっているのは、四角い箱のような形に丸いダイヤル式のスイッチの突起。
全体がピンク色のその物体の名前は「ピンクローター」
「いいんですか? こんな酔っ払いに抱かれても」
と冗談めかした台詞で尋ねて、真剣な眼をした彼女が、わたしを見下ろした。
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