※ 隣恋Ⅲ~のたり~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ のたり 14 ~
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ひく、と片方の頬を引き攣らせた彼女を見て、内心「よし」と仕返しが出来た事にガッツポーズをとった。
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でも彼女は、顔を引き攣らせたあと、少々赤くなったもののそこまで慌てた様子もなく、ふるふるっと首を振った。
「いや困ります」
「困るって何が?」
予想ではもうちょっと、慌てたり照れたりたじろいだりする雀ちゃんがいたんだけど、どこか冷静に、どちらかと言えば、真面目な顔をしている彼女。
一体なにが困るというのか。首を傾げてみせる。
「まだ抱き足りてないですもん。困ります」
流石に、スープカップを取り落とすかと思う内容。
どこの世界にそんな真面目な顔して、まだ抱き足りないからされる側になるのは困ると宣言する子がいるのか。
「別に嫌とかじゃないので満足してからだったら譲りますけど、そうじゃない間は駄目ですからね」
ふんす、と鼻を鳴らす彼女は、最後のサンドウィッチを口の中に収めた。
――カウンター上手すぎでしょ……。
持ち直したカップの陰で、わたしは赤らみそうになる顔を落ち着けるべく、深呼吸を繰り返した。
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ごちそうさまでした。と二人で両手をあわせておじぎする。
「たべすぎた……」
この部屋に体重計が無いことを恨むし、何気にここのご飯、おいしいから困る。
「あれだけで足りるんですか? ほんとに。もう返せませんからね?」
わたしに同調する言葉を発さなかったということは、カツカレー+サンドウィッチを食べた彼女はまだ、お腹に余裕があるのだろう。
「返してとか言わないわよ」
まさかそんな、と笑いながら首を振った。食べたもの返してなんか言わないし、第一そんなお腹の余裕はわたしにはない。
「あ、お湯、見てきます」
「ん。ありがと」
思い出したように座卓から立ち上がって速足に扉に向かう彼女の足音を聞きながら、わたしはトレーとお皿をひとつにまとめると、よいしょと両手で持ち上げた。
雀ちゃんがちょうど開けっ放しで行ってくれたドアを抜けると、ガラスの向こうにほとんど満杯になった露天風呂の傍で、蛇口を閉めている雀ちゃん。
あの蛇口4つを目にした時は、そんなに必要かしらと首を捻ったけれど、食事する間4つも捻ってあって満杯になっていない所を見れば、妥当なところなのだろう。
もう一つの扉をなんとか自力で開けて、埋め込み式のテーブルにトレーを置いてふうと息をつく。やはり二つ分は重たい。
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「あ。ありがとうございます。重たかったでしょう?」
丁度廊下で、戻ってきた雀ちゃんと鉢合わせたので、なんとなく、手を伸ばしてその頭を撫でる。
「んーん。大丈夫。お風呂、ありがとね。もう入れそう?」
「はい。バッチリでした。シャワーも一応外にあるんですけど、シャンプーとかがないんで中から持ってく必要ありますよ」
なるほど。まぁ外にそういうもの常備しておくのもなかなか手入れが大変だろうしね。
「愛羽さん」
「ん?」
「ドリンクってテレビの下にあるんでしたっけ?」
「あ、うん。扉のとこ開けてみてごらん」
わたしはお風呂場へ向かいながらテレビの下を指差す。どうやら彼女は喉が渇いたみたいだ。
一晩換気扇を回していたお風呂場はすっかり乾いていて、足を濡らすことなく、ボトルたちの前まで行く。
3本のボトルを抱えてみれば、底はまだちょっと濡れていて、水滴を振っておとした。
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「欲しいの見つかった?」
鏡前に戻ってみると、まっすぐの所に雀ちゃんがしゃがんでいる。わたしの声も聞こえていない様子で熱心に扉の中を見つめる彼女が可愛くて、目元が緩む。
昨日お茶を買ったときにざっと商品を見たけれど、お酒もジュースもあった。まぁこんな朝からお酒は飲まないわよね、と思いつつ、彼女の傍に寄ると、何か違和感を感じた。
何が違和感なのか謎で、んんん? と首を傾げながら彼女が開いている扉の内側を覗いて、……さけんだ。
「こっちじゃないからっ」
彼女がじーっと見つめていたのは、ジュースの自販機ではなくて。
いわゆる、大人の玩具の、自販機だった。
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