2024年4月 マシュマロ 1


2024年4月中に頂いたマシュマロへのお返事です。
ネタバレを含むマシュマロもありますので、隣恋作品を全て読了されていない方はご注意ください!


2024-04-21

 お久しぶりですー! ごほうびさんではないですか~~!
 マシュマロありがとうございます~お元気でしたか?

 しかし何やらお忙しい様子で心身共に疲弊していないか心配してしまいます。大丈夫ですか?

 仕事が忙しいときは、むりをせず、ゆっくり行きましょう。
 そもそも生きてるだけで偉いし、仕事してるならもっと偉いんですから。目標へ向け努力するのはもっともっと偉くて、偉過ぎるくらいなのですから、大丈夫ですよ。忙しいときはちょいとお休みして、また状況が落ち着いてきたら、がんばりましょう!

 お忙しいなかでも、こうしてマシュマロを送ってくださったことに大感謝です。ありがとうございます。
 嬢×客が、ごほうびさんの癒しになっていて良かった! 100話越えてもまだヤッてないんかいwというような亀の歩みストーリーですが、これからも癒されて頂けるよう挫けず書き続けますね!

 今回もマシュマロありがとうございました。
 最近は良い作品を生み出せていないせいか、マシュマロも閑古鳥が鳴いているなか、頂けたマシュマロに私も癒され、励まされました~。本当ありがとうございます。

 以下、ささやかではありますが、マシュマロのお礼代わりの短編です。
 最近ポ○モンの技をお題にして短編を書いてみているんです。そのうち、短編集で出す予定の物のひとつですが、よかったら、お時間あるときにどうぞご覧ください。
 では、また~\( ‘ω’)/

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 愛羽さんが月明かりの元で、ベランダの椅子に腰掛けていた。
 普段会社員として働いている彼女は、姿勢が良い。椅子に腰かけていても、背凭れを使わないでいられるし、脚も閉じてちょっと斜めに倒しておくなんてお手の物。
 それを無意識にやっちゃえるくらい、姿勢キープが身についている彼女は、たとえぼーっとしていても佇まいが綺麗だった。

 月の光に照らされているから、よりそう感じるのだろうか。
 部屋の内からしばし眺め、見惚れていたのだが、そろそろ湯冷めをしてしまうのではないかと心配になって、私はひざ掛けを片手にベランダに近付いた。

「そこの綺麗なお姉さん」
「ええ?」

 ドアを開ける音に気が付いた彼女は、私が声を掛けるよりも早く振り向いた。しかし妙な呼びかけには、ちょっと戸惑ったらしい。
 ”なぁに、その呼び方”と云いたげに軽く眉をあげながら、こちらを見上げてきた。

「月下美人がいらっしゃったので」

 自分を美人だとか、綺麗だとか認めたくないのか。愛羽さんは、はあ? と云いたげな表情ばかりを浮かべている。
 しかし私が構わず彼女へひざ掛けを差し出すと、その表情はほころび、可愛らしくなる。

「ありがと。寒いと思って持ってきてくれたの?」
「朝晩はまだ冷えますから」

 風邪を引いてはたいへんだ。

 そろそろ部屋に戻ってはどうか、と誘いたい気持ちもあるけれど、考え事をしたいようならその誘いは野暮だ。
 ひざ掛けも渡したし、私は退散しようと踵を返しかけたとき、ちょいちょいと手招きされた。

「はい?」

 椅子へ腰掛けた彼女と視線を合わせるべく、隣に屈むと愛羽さんの手が頬へ触れてくる。

 ――つめたいな。

 それで触れられるのが嫌って訳じゃない。ただ、心配になる。
 そんな私に、触れるだけのキスをしてくれた愛羽さん。

 屈んだ位置なら誰かに見られる心配もないけれど、外は外だ。
 もっとキスしたいけど、これで終わりだろう。残念。彼女が部屋に戻ってきたらいっぱいさせてもらおう。

 そんな事を私が考えているなどと露さえも勘付いていないはずなのに。

「もいっかいしとこ」

 かわいく言ったかと思えば、ちゅっ、と追加されたキスに、自分の顔がだらしなく笑んでしまうのが分かった。
 鏡を確認しなくたって、でれりと緩んでしまっている。

 私の頬をスリスリと指先で撫でながら、自分の膝に肘をつき、頬杖の姿勢をとった愛羽さん。
 下唇をかるく噛みながら、にやけて「可愛いんだから」と言ってくる貴女の方が一那由他倍かわいいのに何言ってんだ。

 それから彼女は、ふふと柔らかく微笑んでから、私の頬にぺとりと手のひらを添えた。

「雀ちゃん、あったかいね」
「愛羽さんが冷えてるんですよ」

 示すように、私の手を触れさせた。
 頬と手にサンドされた愛羽さんは、「あったかーい」と呑気にしているが……部屋に戻るか、もう少し厚手のものを着込んだ方がいい気がしてきた。

「……なにか、考え事ですか?」

 そこに言及するのは、どうなのか。尻込みする気持ちは大きかった。
 仕事のこととか、会社での悩みとか。そういったことに私が踏み込むのは……避けたほうがいいと思っているから。

 愛羽さんがもしそういった考え事をしている最中なら、厚手の服と、温かい飲み物を持ってこよう。そう心に決めつつ迷いがちに尋ねたら、返ってきたのはまさかの返答だった。

「んーん? ぼーっとしてただけ」
「え」
「今夜は満月で明るいな~とか。雀ちゃんそろそろお風呂あがったかな~とか。明日スーパー行くけど何買おうかな~とか。そういうのは考えてたけどほとんどぼーっとしてた」

 ……なんだ。
 変に気を回して損した。

 けど、そんな内容の考え事でも、あんなに美人に見えるなんて元がいいからだな。

 まぁそれはさておき。
 考え事をしていないなら、野暮の心配もない。誘っても許されるだろう。

「部屋、入りませんか?」
「ちゅーしてくれたら、入ってもいいよ?」

 なんだそれ。可愛すぎないか?

 私はいそいそと、月の光に照らされる恋人に顔を寄せた。




===============つきのひかり

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