隣恋Ⅲ~夕立騒ぎ~ 9話


※ 隣恋Ⅲ~夕立騒ぎ~ は成人向け作品です ※
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※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※


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~ 夕立騒ぎ 9 ~

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「ひっ、あっぁ、ゃっ…んん……っ」

 可愛い声。
 普段話をしているときの声も可愛いと思うけれど、私があげさせている今の声の方が、色気が溢れている上に、切羽詰っていて、より可愛い。

 まだ下着の上からだけだというのに、彼女はやたらと敏感だ。
 まぁ…それもそのはずか。今まで存分に、焦らしているのだから。

「そんなに気持ちいい?」
「そこでっ、しゃべらない、でっ…んァっ」
「……ふぅん?」

 本当に、分かっていないんだから。
 今日は私に逆らわない方が身のためだと、どうして分からないんだろう。

「そんな口、まだきけるんだ」

 敏感な蕾がある場所。
 もうぐっしょり濡れている布の上から、舌を尖らせて、ぐりぐりと押す。

 レースがあしらわれている大人っぽい下着。指で触ればツルツルの生地なのに、こうして舌で触れてみると、ほんの僅かにだが、ザラつきを感じる。
 きっとそれだけ、舌という感覚器官が高性能という訳だろう。

「ひんっ、ぁっ、はぅっ……ごめ、なさ……ァああっ」

 私の髪に、愛羽さんの指が絡まった。
 さっきまでは頭へ乗せられていただけだったのに、こんなふうに感じて、それがたまらなくなると、彼女はきゅうと指を曲げるのだ。私の髪を巻き込みながら、力んだ手にはまだほんの僅かだけど私を気遣う気配が残っている。
 きつく握り過ぎれば、ハッとした様子でその手は開かれ髪を解放した。

 彼女自身ギリギリなはずなのに、その気遣いがみられる度、私の心臓は、締め付けられるような甘苦しさに攻め込まれるのだ。

 その度私の舌が、活力を増す。

 もっと気持ち良くなって欲しい。
 その願望を叶えるべく、濡れた下着越しにも存在を感じさせる蕾へと刺激を送るのだ。

 だがその刺激が強過ぎると、耐えられないと云わんばかりに愛羽さんが両足を閉じようとする。が、そこには私の頭があって、太腿でぎゅうと挟み込むだけになった。

 耐えられない、と体現している愛羽さんには申し訳ないけれど、私の耳や頬を圧迫する脚は柔らかくて、正直気持ちいい。むにゅうと押し潰されても痛みなんてないから私は呑気なもので、多少の動き辛さすら楽しみながら、蕾へ刺激を送るのだった。

「だ、めぇ……っ」

 息も絶え絶えに彼女が紡ぐ禁止の言葉は、全くと言って良いほど効果が無い。
 それどころか、私にとっては逆効果。

「はっ、うぅんっんっ……すず、めちゃ……っ!」

 ましてや名前を呼ぶとか……、煽っているとしか思えないのだ。

 ――可愛すぎるだろ……。

 脳内の声でさえ溜め息混じりだ。
 可愛すぎてたまらない。

 喘ぎ声も、喘ぐ姿も、彼女の仕草ひとつひとつが、どうしようもなくゾクとするし、そのひとつひとつに、愛撫を誘われているみたいに勘違いしてしまう。

 私の唾液か、彼女の愛液かもう判断がつかないくらいに染みが広がっている下着。
 今すぐにでも剥ぎ取って、その蜜壷に指を挿し込みたい。

 頭の中では、「はやく、はやく」と何者かが囁いているし、その声に従いたくて仕方ない。

 ――でも。まだ。

 まだだ。

 彼女が懇願するまで、入れない。
 入れてやらない。

「ダメ?」

 私は愛羽さんの言葉を拾った。
 嬌声の中のひと欠片の「だめ」だけを拾って、妙な難癖をつける酔っ払いみたいに彼女に絡む。

「ダメなら、止めるけど」
「ちがっ……ちがうのっ、あっ、はぁッ、ンッ」

 首を振り、快感を逃がそうと必死な彼女。
 分かっている。
 もう愛羽さんは絶頂が近いのだ。そんなときに止めて欲しい訳がない。

 そう理解していながら、意地悪を言う私は、本当に性格がわるいと思う。
 だけどそれを修正しようという気が起きない。

 だって、意地悪をされた愛羽さんは、ものすごく可愛いことを口走ってくれると知っているからだ。

「……ンッ、ぁ、ちが……ぅの……っ」

 限界が近いのに、それでも私の言葉を聞き、返事を返してくるあたりがいじらしくて可愛い。
 そんな彼女をもっと見たいと思うし、もっといじめたいと思うし、もっと乱れさせたいと思ってしまう私は鬼畜と罵られても当然だ。

 が。

「ャッ…は、あっ、ンンッや、めない……で……ッァア!」

 途切れ途切れでも、愛羽さんが強請ってくれた言葉に、背筋が震えた。
 こういう瞬間が、前にもあった。これが、忘れられなかった。

 このゾクゾクと、カッカと熱が混じり合う感覚をまた味わいたくて、私は意地悪をしたし、きっと、またやるだろう。

 ――あいは、さん……。

 頭の中で呟く声が熱い。
 いや……もう、既に脳が、のぼせているのかもしれない。そのせいで、熱く感じるのだ。

 ――……あいは……。

 ドロリと熔けた声が恋人を呼ぶ。
 頭の中が、そのひとの事でいっぱいになるこの感じ。

 それ以外考えられなくて、それ以外を考えなくていいこの瞬間が好きだった。

 私は濡れた下着越しに舌をあてがい、蕾を弾くように扱く。左右の動きは難しいから、上下に小刻みに、的確な幅で。

「ぁああ……ッあぅ、あっあ……っ」

 ――……可愛い。

 声が、甘くなった。

 あまくて、一生懸命。
 これをたぶん、切羽詰まった、っていうんだ。

 思考速度が遅くなっているこの感じ。
 愛羽さんの甘声を聞いていると、いつもこうなるんだ。

 頭がぼぅっとして、一瞬一瞬がやけに遅く感じる私とは逆に、彼女はどんどんのぼり詰めてゆく。
 きっと、あっという間に、愛羽さんは感じているんじゃないだろうか。

「ンンッ、ぁあっ……きもち、ぃ……雀ちゃ……っ!」

 情事の最中、あんまり「きもちいい」って自分から言わない愛羽さんが、堪らないように口にする言葉。
 脚を閉じる力も強まってきて、身体が強張っている。

 そんな彼女をもっと見たい。
 もっと、私からの快感を刻み付けたい。

 だから小刻みに弾くよりも、貴女が好む動きに変えてあげる。
 舌の先を力ませ硬くして、グリグリと押し付けながらこねるみたいに、圧をかけた。

「……ぁっや……ッ、ぁぁァッ」

 もっと。

 もっと、乱れてほしい。

「……ア、だめ……だめだめっ、ゃッ、ぁ、ァアア……ッ!」

 切羽詰まった声が途切れた。

 直後、ぎゅうぅっときつく閉じられる脚。もちろん、私の頭部が邪魔をして完全に脚を閉じられないけれど、そうせずにはいられなかったのだろう。

 そして痛いくらい私の髪を握り締める愛羽さんの拳はカクカクと震え、それ以上の大きな痙攣を何度か繰り返す身体。

 ――あぁも……かわいい。

 私の身体の底から、湧き上がる充足感と達成感と満足感。
 それと同時に、彼女の絶頂が伝播してきたかのように、私の頭もジンと痺れた。

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