※ 隣恋Ⅲ~のたりかな~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ のたりかな 64 ~
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「なんでいき、なり……」
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「聞いて欲しい事があるから」
見えないけれど、私が両肘を愛羽さんの顔の横に着いたから、顔の下あたりに彼女の顔があるはず。輪郭しか見えないが、目のありそうな辺りの闇をじっと見つめて、私は話を続けた。
「気持ちいいからイクんでしょ? だったら何も悪い事なんてないよ」
「……限度、ってものがあるでしょう? 今日のわたしはそれを越えてるもの」
私が何の話を始めたのか理解した愛羽さんは小さく嘆息をつくと、私の頬へと手をあてた。
「貴女は優しいから怒らずに休憩させてくれるけれど、こんなに中断させられてたら、普通は怒っちゃうものじゃない?」
「どうして?」
「それは……早く続きをしたいからでしょう?」
当然じゃないの。と言いたげな口調で愛羽さんは迷わず答えを口にするが、私は首を横に振った。
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「それってセックスしてるんじゃなくて、人を使った一人エッチだよ」
「……は? え、と…? ………どういう事?」
人を使った一人エッチ。分かりにくかったかな……。
「だから、セックスってクサイ言い方かもしれないけど愛情の交換でしょ? 自分の中にある好きの気持ちをもって相手を気持ちよくする。お互いがそうある事で、セックスって成立するけど、愛羽さんが言ってる”早く続きしたいから相手がイッた後の休憩を嫌がる”ってのはおかしいよ。そんなの自分の事しか考えてない」
気持ちいいからイクんだ。だから休憩はとって当たり前だし(私も人のコト言えないくらいに少ない休憩しかあげられてないし、時にはそのままぶっ通しでやっちゃう事もあるけど)、その休憩を愛羽さんが申し訳なく思う必要なんてないのだ。
むしろイクのと休憩はひとセットみたいなもので、彼女にとっては当然の権利で、それを侵害している私が謝罪し罪悪感に苛まれながら反省しなければいけない立場である。
……何度も言うけど私はそんな事出来てないからいけないんだけど。
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「……」
「……」
持論をぶちまけた後、はたと気付く、場の沈黙。
息巻いて語ったのはいいんだけど、そのあと愛羽さんの反応がない。
――ま、間違ったことは言ってないと思うんだけど……なんか、間違ってた……かな……。
沈黙の存在で一気に押し寄せてくる不安にじっとりと手汗をかき始めたとき、愛羽さんの手がうごいた。
頬に添えられていた手がするりと肌を撫でて、そのまま首へと絡まり、抱き寄せられた。
どんどん顔と顔の距離が近付いてゆくのは暗闇の中感じながら、唇の位置このままいって合ってんのかと焦る。
「雀ちゃんのそういうところ、大好き」
重なる直前で囁かれた台詞に、私は大きく目を見開いた。
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どうせ見えやしないのに、見開いてもな、と内心苦笑しながら呟いたとき、どきりと心臓が跳ねた。
唇の重なったこの距離で、愛羽さんと、視線が絡んだ気がしたから。
てっきり閉じていると思っていた瞼が開いていて、こちらを見上げていた。
――気のせいなんかじゃ……ない。
見開いた私の瞳に愛羽さんは視線を絡めてから、笑い掛けて、ゆっくりと目を閉じた。
その一連の動作の流れるような美しさに見惚れて、唇が離れてゆくまで、私は目を見開いたまま、唇を啄みも出来ずに、固まっていた。
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