※ 隣恋Ⅲ~のたり~ は成人向け作品です ※
※ 本章は成人向(R-18)作品です。18歳未満の方の閲覧は固くお断りいたします ※
※ 本章は女性同士の恋愛を描くものです ※
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~ のたり 74 ~
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「感じ……た?」
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そんな質問、アリなのだろうか。
いいえナシでしょ。
なんてわたしの頭の中では討議が起きたのだけど、そんなものはわたしを窺うように見つめるこのひとには無関係でなんの足しにもならない。
「え、え……っと」
言い淀むわたしの頬をもう一度舐めた雀ちゃんの舌が、そのまま顎のラインをつぅとなぞって降りてゆくと、わたしの口からは甘声がはっきりと漏れた。
もう言い逃れは出来そうにない大きさで漏れた声を聞いた雀ちゃんは、その表情をちょっと甘くして、目を細める。
「ごめん。途中だったね」
そう。まさに、途中。
ローターの準備運動をしている最中、わたしが不安を覚えてキスをねだりかけて、そこからの雀ちゃんのお怒りを買ってしまったのだ。あと、嫉妬も。
まぁ別に、ただただ何もせずお預けされていた訳でなくて、ちゃんと真剣な話し合いが行われていたので、身体の疼きを覚える暇もなかったし支障はない。
だけど、意図的に疼かされたら、もう、そこからは与えられない快感を求めたくもなる。
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「そう。ひとつ言いたい事があったんだけど」
「な、なに……?」
思い出したように、顔をあげた雀ちゃんに、身構える。
言いたかったこと? なに? なんなの? また怒られたりする…?
「キスしながら下の方で色々するのが大変だとは思ったことない」
「え、でも……」
「昔の男が?」
ギロ……と彼女の瞳が蛇のそれになった。
「ちっ、違う! そうじゃなくて、わたしがする側になったとき、腕が大変だったから……」
あ、あぶない。雀ちゃんの嫉妬を爆発させるところだった。
慌てて違う言い訳を述べたけれど、これは嘘ではない。
「そりゃあこの筋肉もなさそうな細腕だと体重支えるのも大変かと」
ふにふにと二の腕を揉まれて、まぁ確かに腕立てとかは出来ないわね…と肯定する。
でも雀ちゃんだってゴツゴツの腕してる訳じゃないし……と彼女の腕に触れてみたところ……無駄な脂肪がなくて、筋肉質な腕がそこにはあった。
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「筋トレもしてるし、私のバイトはなんでしたっけ?」
「……バーテンダー」
そうか。腕の運動量はあるし、初耳なんだけど、筋トレもしてるならそうなのかも……。
でも、わたしが昔聞いたあの会話はなんだったの?
キスしながらするの大変って聞いたんだけど……。
「下手だったんじゃないの?」
まるで見透かしたようなタイミングで、雀ちゃんが言った。
はっとして彼女の顔を見上げれば、冷たい表情。
目を見張ったわたしに視線を落とした雀ちゃんは、肩を抱く腕に力を込め、ぐっと顔を寄せてきた。
「これ以上、昔話に花を咲かせるなら、沢山啼いてもらうことになるけど、いいの?」
脅すような低い声に慌てて首を横に振る。
「だったら、キスして?」
もう、あと数センチまで顔を寄せておいてそんな事を言う雀ちゃんの瞳が、溶けている。その中には、嫉妬の色がちらりと覗いているけれど、わたしは見て見ぬ振りをして、目を閉じ、恋人に口付けた。
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すぐさま入り込んできた舌に、舌を絡めつつも胸中で珍しい、と呟いた。
基本的に雀ちゃんは人の悪口を言わない。
まぁ、他所では言っているのかもしれないけれど、少なくとも、わたしの目の前では言わない。
そんな子が、「下手だったんじゃないの?」だって。
――嫉妬、丸分かりじゃないの。
過去のあの人には、少々申し訳ないけれど、悪く言った雀ちゃんに対しての怒りは起きなかった。
怒るどころか、昔の人へ嫉妬する彼女を可愛いとか、わたしの事好きなんだなぁとか、相変わらず強い独占欲に女としての悦びが込み上げた。
求められる事は嬉しい。
それに「嫌われなくてよかった」と縋るように抱き着かれるのも嬉しい。
そしてこうして、隠しきれない嫉妬をぶつけるようなキスも、嬉しい。
――すきよ。すずめちゃん。
溺れるようなキスを受けながらでも、愛の言葉が囁けるテレパシーがあればいいのに、と乙女みたいな事を思った。
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